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中高年男性が抱える悩みとして、「性機能の低下」や「疲れやすさ」「やる気の低下」などがあげられます。こうした症状の背景には、「ED(勃起障害)」や「LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群」などの男性特有の病気が関わっていることがあります。当科では、男性の健康を総合的に支える“男性ヘルスケア”として、こうした症状に対する診断・治療を行っています。
ED(Erectile Dysfunction)は、「満足な性交のために十分な勃起が得られない、または維持できない状態が続くこと」と定義されています。日本人男性の40〜70代で、約35%が何らかのEDの症状を抱えていると報告されています。
EDは大きく分けて以下の3つのタイプがあります。●心因性:精神的ストレス、プレッシャー、うつ状態など●器質性:糖尿病、高血圧、動脈硬化、神経障害、ホルモン異常など●混合性:心因性と器質性の両方の要素を含むもの生活習慣病(糖尿病・高血圧・肥満など)、喫煙、加齢もEDのリスク要因となります。
問診(傍喫障害の質問表)と血液検査に加え、必要に応じてホルモン検査や超音波検査などを行います。性欲の有無、夜間の勃起、既往歴、服薬歴などを丁寧にうかがい、原因を見極めます。
●生活習慣の見直し:禁煙・減量・運動など●ED治療薬の処方(PDE5阻害薬) バイアグラ®、レビトラ®、シアリス®などを症状に応じて処方します。●ホルモン補充療法(テストステロン補充) テストステロンの低下が原因と考えられる場合に検討します。●カウンセリング:心因性EDの場合に有効です。 重度で内服薬の効果がない場合には、注射療法や手術的治療が検討されることもあります。
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(7点以下:重症、8~21点:軽症~中等症、22点以上:異常なし)
加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)が低下し、さまざまな症状が現れる状態を「LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)」と呼びます。以下のような症状がみられます。●性欲や勃起力の低下(特に夜間・早朝の勃起が減る)●疲れやすさ、集中力の低下、気分の落ち込み●睡眠障害●筋力の低下、体脂肪の増加●骨密度の低下、骨折しやすくなる
●血液検査によるホルモン測定(フリーテストステロン)●LOHスコア(AMSスコア)による問診評価
ホルモン値が低く、症状がある場合に診断されます。
●ホルモン補充療法(ART)筋肉注射によるテストステロン補充を行い、3か月間の効果をみて継続を判断します。※前立腺がんや重度の排尿障害がある方には適応外です。
●PDE5阻害薬の併用性機能が強く障害されている場合に使用します。
●精神的な症状が強い場合は、精神科や心療内科との連携も行います。
当院では前立腺癌や前立腺肥大症術後の男性尿失禁に対して、積極的に治療を行っております。軽症~中等症の尿失禁に対しては、外来で骨盤底筋体操の個別指導や薬物療法を行っております。また、1日のパッド使用枚数が3枚以上の重症尿失禁に対しては、人工尿道括約筋埋め込み術を施行しております。この手術は2012年(平成24年)より保険適応となっておりますので、費用は一般的な手術と同等です。尿失禁でお悩みの方は是非一度ご相談ください。
使用法に関して、排尿する時には陰嚢内のコントロールポンプを押します。すると、尿道のカフをふくらませていた水が圧力調整バルーンの方へ数秒間で移動し、尿道が開き、尿が出てきます。その後、2-3分かけて移動した水が圧力調整バルーンからカフの方へとまた戻り、尿道を閉め、尿漏れを防ぐ仕組みとなっております。
男性ヘルスケアの問題は、年齢とともに自然に起こるものでもありますが、放置せずに治療することでQOL(生活の質)が大きく改善することが期待できます。「年のせい」とあきらめずに、ぜひ一度ご相談ください。プライバシーにも十分配慮した診療体制を整えております。