副腎は左右の腎臓の上に一つずつある小さな臓器で、その働きは生命を維持するのに必要な種々のホルモンを分泌することです。副腎から発生する腫瘍には、ホルモンを過剰に産生するものがあり、そのホルモンに応じてそれぞれ特徴的な症状を呈します(代表的なホルモン産生副腎腫瘍を以下に示しました)。また、その頻度は10%以下と低いものの、悪性腫瘍も存在します。手術の適応となる副腎腫瘍は、ホルモン産生副腎腫瘍と悪性腫瘍または悪性が否定できない場合ですが、悪性腫瘍を画像診断で正確に診断することが困難なため、腫瘍径3cm以上はホルモンを産生していない副腎腫瘍でも積極的に手術を勧めています。これらの腫瘍で腹腔鏡下手術の適応は、ホルモン産生副腎腫瘍およびホルモン非産生副腎腫瘍で腫瘍径5cm以下の良性腫瘍としています。