こんな症状のときは

1.尿に血が混じる

目で見て赤い尿が出るとき

【1】目で見て赤い尿が出るとき

肉眼的血尿といい、膀胱炎、尿路結石症、尿路腫瘍などで出ます。排尿後に痛みを伴うときには膀胱炎であることが多いので、まずはホームドクターに相談されることをお勧めします(「おかかりになる前に」を御参照ください)。腰の痛みを伴うときには尿路結石症が疑われます。レントゲン検査や超音波検査が必要ですが、緊急性がないことが多いので、あわてずに「おかかりになる前に」を御参照ください。症状を伴わずに血尿が出るときには、膀胱がんや腎盂尿管腫瘍などの重大な病気のサインであることがあります。早めに泌尿器科を受診してください。

【2】健康診断で血尿といわれたとき

一般的に健康診断ではテストテープ(ろ紙を浸して診断する検査)による尿潜血反応検査を行います。テストテープ検査は簡便である反面、実際には血液が混じっていない尿まで異常と判断することがあります。まずはホームドクターで尿を実際に顕微鏡で検査する方法(尿沈渣(にょうちんさ)といいます)で再検査をしてもらい、本当の血尿かどうかを確認することをお勧めします。尿沈渣で血尿が出ていることが確認されたら(これを顕微鏡的血尿といいます)、原因精査のために泌尿器科を受診してください。

2.男性で、尿が近い、排尿に時間がかかる、残尿感があるとき

2.男性で、尿が近い、排尿に 時間がかかる、残尿感があるとき

前立腺に炎症や肥大が起きている可能性があります。まず、以下のチェックリスト(国際前立腺症状スコア:IPSS)を付けてみてください。合計点数が7点以上で治療が必要な前立腺肥大症であるといわれ、20点以上で手術が必要とされています。あてはまるときには泌尿器科を受診してください。

チェックリストをダウンロード
国際前立腺症状スコア:IPSS
日本語版PDF

3.PSAが高いといわれた

3.PSAが高いといわれた

人間ドックや自治体の検診でPSAという血液検査項目が異常値を指摘される方が増えています。PSAというのは前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)の略で、前立腺がんの腫瘍マーカーとして利用されています。前立腺がんの疑いがありますので、まずは泌尿器科を受診してください。

4.男性の方で、最近疲れやすくなった、神経質になったなどの更年期症状やED症状、前立腺の手術後の尿失禁が治らないとき

4.男性の方で、最近疲れやすくなった、神経質になったなどの更年期症状やED症状、前立腺の手術後の尿失禁が治らないとき

当院では(男性)ヘルスケア外来を設けて、男性の更年期障害(LOH症候群:late onset hypogonadism)や勃起障害(ED:erectile dysfunction)の診断ならびに治療を行っております。また、前立腺癌や前立腺肥大症術後の難治性尿失禁に対して、骨盤底筋体操の個別指導や人工尿道括約筋埋め込み術を施行しております。上記症状でお悩みの方は是非一度ご相談ください。

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5.女性で、いつでも尿が溜まっている感じがして頻繁にトイレにいく、咳やくしゃみなどで尿がすぐに漏れてしまう、夕方になると膣より何かが出てくる感じがするとき

5.女性で、いつでも尿が溜まっている感じがして頻繁にトイレにいく、咳やくしゃみなどで尿がすぐに漏れてしまう、夕方になると膣より何かが出てくる感じがするとき

当院では(女性)ヘルスケア外来を設けて、いまだに診断法や治療法が確立していない間質性膀胱炎という難治性の疾患に対して、患者さんの苦痛を取り除くべく、さまざまな方面から積極的にアプローチをしております。また、女性に多い尿失禁や骨盤臓器脱(膀胱、子宮、直腸などが膣に下がってくる疾患)に対して、骨盤底筋体操の個別指導やメッシュを用いた修復術を行っております。

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6.二分脊椎といわれた、尿や便をよく漏らしてしまう、尿路感染を繰り返す

二分脊椎といわれた、尿や便をよく漏らしてしまう、尿路感染を繰り返す

二分脊椎のお子さんには排尿・排便障害、尿路感染がしばしば認められます。東京慈恵会医科大学泌尿器科(本院)では母子センター内に小児泌尿器科外来を設けて、小児脳神経外科・小児外科と協力しながら専門の医師によるグループ診察を行っております(二分脊椎グループ診療)。二分脊椎、排尿障害、尿路感染を繰り返すお子さんは是非一度受診してみてください。

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