精巣には主に男性ホルモンを分泌する働きと精子を作る働きがあります。精巣にできる悪性腫瘍はほとんどが精子を作る細胞から発生します。発生頻度はわが国では1年間に10万人あたり3.9人です。20~40歳代が多いですが、50歳以上にも発生します。精巣腫瘍の大部分を占める精巣胚細胞腫瘍は、病理組織学的所見や経過の特徴から、“セミノーマ”と、セミノーマ以外の成分を含む“非セミノーマ”の2種類に分類されます。非セミノーマを構成するものには胎児性がん、卵黄嚢腫、絨毛がん、奇形腫などがあります。セミノーマとそれ以外の成分を含む場合は、非セミノーマに分類されます。